仲本流

いわゆる「実力派講師」への道

子供の頃から人に好かれたことがない(;_;

 

予備校講師という人気商売を営んでいながら「人気講師」という存在とはあまり縁がない。

そんなワタシが目指しているのが

いわゆる「実力派講師」

うーん、なんて素敵な響きなんだろう。超絶素敵すぎる。一度でいいから「実力派講師」と呼ばれてみたい。

「人気講師」は無理でも、努力次第で「実力派講師」への道は開かれるかもしれない。

 

というわけで、「実力派講師になるための条件」というものを作成してみた。

 

1.「英語の時制に未来形はない」と言う

2.「目的格の関係代名詞は省略できるというルールには真実のかけらもない」と言う

3.「関係詞のwhatは『〜もの・こと』と説明してある参考書は捨ててしまえ」と言う

4.「倒置構文を情報構造抜きで教えるのは無意味だ」と言う

5.強調構文を「分裂文」と言う

6.人気講師のことを「あいつは英語ができない」とバカにする

7.ネイティブを「あいつらは英語ができない」とバカにする

8.予備校のテキストはとりあえず批判する

9.自分以外の講師はみんな、まともに英語を勉強していない(=馬鹿だ)と決めつける

10.英検1級、TOEIC、TOEFLは受けない

11.大学では英語を専門的に学ばず、すべて講師になってから独学する

12.ちゃんとした英語学・文法理論を、一流の教授のもとで本格的に学んだことはない

13.けれども勉強会には参加しないし、もちろん文法理論について論文も書いたことはない。

14.講師室でやたらでかい声で議論したがる(レベル低)。ただし相手が自分の意見に同調しないとキレて、後で「彼は英語ができない」とバカにする

15.一人よがりの英語観・文法観を構築し、何も知らない10代の子供たちにドヤ顔で披露する

 

うーん、なかなか実現できそうにないな、ワタシには。実力派講師への道は遠い。

 

 

けれども、この厳しい時代にサバイバルするにはこの道しか残されていないのだ。

 

来年度は是非とも教室で

「このIt is … that 〜を強調構文と呼ぶのは間違っている。なぜなら……の部分は強調されてないからだ」

と力説してみたい。


なんてケシカランことを言う生徒は放置してやる。

 

「それはおまえが『強調』の定義を都合のいいように決めてるからだろ」

という周囲の講師陣の正論もあえて無視しよう。

 

そして、4月の初回の授業

「このテキストには間違いがある。『副詞は名詞以外を修飾する』と書いてあるが、副詞が名詞を修飾する場合もある」

最初の授業で副詞が名詞を修飾している例文(別にそんな例外的事実を知らなくても普通に読んで理解できる英文)を板書して詳しく説明し、テキスト(と執筆した講師陣)に対する生徒の信頼を低下させ、テキストに沿ってこれから教えていく講師に先制(先生)パンチをくらわしてやるのだ。

 

「語学の講師が、幹(核となる原則)と枝(本質に関係ない例外)の区別ができなくてどうする! そんなこまかいことをスタートの段階でドヤ顔で教えることのメリットとデメリットくらい検討しろよこの○○!という外野の声も聞こえないフリをしよう。

 

 

 

よしっ、これで俺も人気講師間違いなしだ!!!

来年こそは代ゼミに貢献するぞ!