みなさん、こんにちは。久々の投稿です。ゴールデンウィークが終わったと思ったら、夏期講習のパンフレットが出回る時期となりました。業界の毎年の恒例行事です。
この時期って、春先の「頑張るぞ」という気持ちがクールダウンする時期でもあります。そんな時に、手元に夏期講習のパンフレットを置いて、受験生であることを自覚し、気持ちを受験勉強から離さない、というのは大事なことです。
とはいえ、パンフレットに踊っている「夏からでも大丈夫」という文言には注意が必要です。
以前こんなツイートをしたことがあります。
そうなんです。「夏からでも大丈夫」というのは、夏からお客さんになってくれる現役生のための甘い言葉なんです。浪人生はこれを間に受けてはいけません。
夏に私が担当する講座について述べます。
【ENGLISH NAVI】夏の英文法頻出問題演習
1学期のテキストは「読み書きの基礎を養成する・完成させる」という目的のもとに編まれました。全ての例文に文法的意味を持たせ、暗記すべき事項は列挙し、最後に4択・正誤・整序・和訳問題で知識の定着をはかるという構成になっています。テキストの進め方は担当の先生方にお任せしていますが(当たり前)、僕個人はほぼ全ての例文(の文法的意図)を説明するという進め方を通しています。
夏のENGLISH NAVIは、「1学期に習得した知識を使って2021~22年に出題された文法問題(4択・正誤・作文)を解きまくろう」というのが狙いです。共通テストが始まってから、いわゆる文法・語法の選択問題は姿を消しましたが、私立大での出題は続いています。受験するのが共通テストと国公立大のみで、いわゆる「文法問題」は出題されない学生はもちろん受講する必要のない講座ですが、ハイレベルな問題を出題する私立大学の受験を考えていて、難関大学でどのような問題が出題されているのかを知り、夏以降の勉強の指標にしたいという人には是非とも受講してほしい講座となっています。昨年度は「ボキャビル天国I・Ⅱ」に次いで多くの学生が受講してくれました。今年度のテキストの出典(出題大学)は次のようになっています。(赤は2022年度、青は2021年度の出題です)
えーっと、一通り英文法の勉強を済ませている現役生なら、「夏からでも大丈夫」です。ご参加ください。
【ENGLISH俱楽部】夏の英語構文特講
昨年度の夏期講習、NAVIと倶楽部で英文法を扱い、「ハイレベル」と「基礎〜標準」で分けたのですが、受験生あるあるでどうしてもみなさん「背伸び」したがるようで、ハイレベルのNAVIに受講生が集中してしまいました(涙)
今年度は同じことが起こらないよう、基礎〜標準設定での「倶楽部」ではやることを明確にします。一言で言えば、「読むための英文法」に徹して英語構文を扱います。
扱うのは「品詞」「文型」「句と節」の3点のみ。
全ての英文を徹底的に「分解」「解剖」することによって英語を裏で支えている仕組みを「見える化」し、身体に染み込ませる方法論を身につけます。
「文を丁寧に読む」というと、「あー精読ね、普段からやってるからダイジョーブ」なんて言われるかもですが、それは違います。いわゆる「精読」の授業が目の前にあるそれなりに難しい英文を読み解くことを狙いとするのに対して、この授業の例文はそれほど難しくなく、簡単な、あえて言ってしまえば丁寧に解剖なんてしなくても意味が取れる英文です。そのような英文を題材にして「英語の解剖の仕方」を提示します。そう、素材は簡単でいいんです。
子供の言語習得を想像してみてください。5歳までに子供が触れる「文」なんて簡単なものばかり(「パパでちゅよー」など)。それでも子供は大人になるまでに必要な母語の文法をマスターしてしまいます。
簡単な英文を徹底的に品詞分解し、丁寧に解剖することで、相手が難解な文になっても「自力」で英文の構造を「考える」ための道具を頭にインストールする。そのための方法論を提示するのが狙いです。
授業は方法論の提示だけなので、90分❌4コマで十分。自習用の英文も用意してあるので、後はその英文を「解剖」すればいいですし、本科生なら2学期からの僕の「英語構文<B>」に参加して「解剖」し続けるのもグッドです。
この講座がなんと言ってもオススメなのは、他の先生方の「読み方」とバッティングしないところです。
本来、英語の読み方なんてひとつしかなくて、「正しく読む」に尽きると思うのですが、我が代々木ゼミナールにはさまざまな読み方が存在し、まるで「読解の豊洲市場」の様相を呈しています。
どんな「読み方」をするにしても、必要なのは上記の3点であることに変わりはありません。だとしたら、「〜先生のやり方で行く」と思っている人も、そうでない人も、一旦この夏に「正しい品詞・文型・句と節」の捉え方を身につけておけば、それを土台に各自の「推し」の先生方の読み方を構築していけば、まさに「鬼に金棒」となるはずです。
なお、英文を徹底して「解剖」することがいかに世間に受け入れられているか、知りたい方は代ゼミでは同期、駿台では大先輩の薬袋善郎先生@Ger81opi46のツイートをご覧ください。一刻もはやく自分でもやってみたくなるはずです。この講習でparsing(構文解析)味を占めた方には、薬袋先生の一連の参考書をオススメします。
【英語ボキャビル天国Ⅰ<質>】
英単語をたくさん覚えよう!
というと必ず返ってくるのが「単語は量じゃない、質だ」という反論です。そんな当たり前のこと言われても、ねえ。
安心して心置きなく「量」を増やしていくために、「夏」の間に単語の「質」を固めておこうというのが夏の「英語ボキャビル天国Ⅰ<質>」です。扱うのは
「前置詞」「品詞別語法」「基本動詞」の3つ。
付録の「ハイレベル前置詞問題演習(PART I)」では早稲田の人間科学部の前置詞問題(1999〜2005)の全問題と簡単な解説・解答を掲載します。
夏の間に単語の質の飛躍的な向上を目指したい方には最高の講座です。
【英語ボキャビル天国Ⅱ<量>】
一言で言えば、「長文を読んでいて、知らない単語が出てくる状況を根気強く減らしていく」ための講座です。ここ数年のご時世でも本当に多くの学生さんに受講していただいているのがこの講座です。
「ボキャビル天国」という当時としてはよく認めてもらえたなという講座名も、いきなりの締め切り連発で「名前がけしからん」という声は吹き飛びました。
歴代の受講生には今をときめくyoutuberや
「7冊勉強法」を実践して、非帰国子女にとっては最難関の上智大学国際教養学部に合格し、アメリカ留学の後代ゼミ講師となった、期待のホープ
もいます。
この講座のキモは「語源」と「コロケーション」です。
「語源」については、youtubeにもたくさんの動画が上がっているので、これらの動画をご覧になったうえで、「語源」を使った単語学習法にチャレンジしたいという方はぜひご参加ください。なお、「語源」が全てを解決してくれるわけではありません。あくまでも
1) 新しく覚える単語が覚えやすくなる
2) 忘れた単語が思い出しやすくなる
3) 知らない単語が類推しやすくなる
が3割の単語について当てはまる、ということです。薔薇色の未来が待っているわけではありません。語源を用いる単語増強法を最大限に効果的にするには、ある程度の語彙力が必要になります。それを可能にするのが巻末付録の1775です。これは授業では扱わず、やり方を授業で丁寧に説明し、夏から秋にかけてみなさんの語彙増強のお供にしていただきます。
ふだん私の授業を受けている人も、そうでない人も、NAVI・倶楽部・ボキャビル天国をうまく活用してこの夏を秋からの飛躍に向けた『最高の準備となる夏』にしていきましょう。
日程は以下の通りです。
みなさんの参加を待っています。